フィデスレディースクリニック
松本智恵子先生
滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、
大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。
産婦人科専門医、日本女性医学会会員。
フィデスレディースクリニック
松本智恵子先生
滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、
大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。
産婦人科専門医、日本女性医学会会員。
「ミレーナって太るの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるかと思います。
結論から言うと、ミレーナで太ることはありません。ミレーナに含まれるホルモン量は微量であり、ほぼ子宮内にのみ作用するため、ホルモン量の変化で体重が増加することはないのです。
ミレーナは比較的新しい避妊法のため、正しい情報が分からず不安な方もいるかもしれませんね。不要な心配をしないためにも、使用前にはミレーナの正しい知識を理解しておくと安心です。
この記事では、ミレーナが体重増加に関係していない理由と、ミレーナの効果や副作用、注意点をまとめてご紹介します。
不安なくミレーナを使用できるよう、ぜひ参考にしてください。
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ミレーナで体重が増加しない理由は、全身に作用するホルモン量が少なく、子宮内膜への局所作用が強いためです。
ミレーナには「レボノルゲストレル」という黄体ホルモンが含まれますが、ほとんど子宮内のみに作用します。さらに、全身に作用するホルモン量もピルの200分の1ほどと少なく、血中に出ることはほとんどないと考えられます。
つまり、ミレーナを使用しても全身のホルモン量にはほとんど変化がないため、ホルモンの変化等によって体重が増加することはないといえるのです。
「ピル=太る」という考えから、ミレーナも太るのではと考える方が多いですが、そもそもピルにも直接的に体重を増加させる作用はありません。
ピルが太るといわれる理由は、主にエストロゲン(黄体ホルモン)の作用による「食欲の増加」と「むくみ」の2つによるものと考えられます。
医師向けのガイドラインでも、体重増加とピルとの因果関係は立証されなかったという内容が記載されています。
参照:http://www.jsognh.jp/common/files/society/guide_line.pdf
ミレーナを使用して太ったと感じる場合、体重増加の原因は別にあるかもしれません。
たとえば、ミレーナを使用したことで生理が軽くなれば、以前よりも食欲が増す可能性はあります。活動的になることでおなかが空き、ついつい食べ過ぎてしまえば太る原因になります。
基本的にはミレーナで太ることはないので、もしも太ったと感じる場合は最近食べ過ぎていないかを確認してみるといいでしょう。
ミレーナには、避妊効果や生理を軽くする効果があります。
具体的には、子宮内に黄体ホルモンを持続的に放出することで、ホルモンの作用によって子宮内膜を薄くするのです。
99.8%という高い避妊効果がありますが、避妊以外にも、月経困難症や過多月経の治療などにも使われます。一度入れると5年間は効果が続くため、手間なく高い避妊効果や生理を軽くする効果を維持できます。
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ミレーナの副作用として、出血が続いたり、生理周期が変化したり、一時的に卵巣のう胞などができたりすることがあります。
非常にまれですが、子宮の壁に入り込んでしまったり(子宮穿孔)、ミレーナが抜けてしまうこともあります。
ただし、子宮穿孔が起こる可能性は非常に低く、確率は0.2%ほど。主に分娩直後の方や授乳中の方など、産後に子宮が回復していない時期に起こることが多いとされるため、通常は心配ないといえるでしょう。
さらに、ほとんどの方はミレーナを使用しても排卵自体はなくならないため、まれではありますが子宮外妊娠が起こる可能性もあります。
ミレーナを使用する際は、注意しておくべきこともあります。主な注意事項を下記にご紹介します。
下腹部痛や出血など、いつもと違う体調の変化を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。
前述したとおり、ミレーナの使用中は副作用として不正出血などのトラブルが生じる可能性があります。
特に、ミレーナの位置がずれたり脱出したりすると、出血量が急に増えたり、痛みが出る場合もあるため注意が必要です。もしもミレーナが外れてしまった場合は、医療機関に行けば数分で入れなおしてもらえます。
また、ミレーナ使用者の20%ほどは使用後1年ほどで生理がなくなることがありますが、急に生理がなくなった場合も少し注意が必要です。
妊娠の可能性も考えられるため、つわりのような症状や下腹部痛があるときは、妊娠検査薬で確認しましょう。
ミレーナは避妊効果は高いですが、性病を予防することはできないため注意が必要です。性病の予防には、コンドームを使用するようにしましょう。
ミレーナ装着後には、定期的な検診が必要となります。検診のタイミングは医療機関により異なりますが、1年に一度は検診が必要としている医療機関が多いようです。
検診については通っている医療機関に問い合わせ、医師の指示に従いましょう。
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ホルモンの作用で高い避妊効果を得られるミレーナですが、基本的に副作用で体重が増加することはありません。
使用の際は主な作用や効果を正しく把握したうえ、副作用や注意点についても理解しておきましょう。
副作用や注意点をしっかり理解していれば、ミレーナは女性にとってメリットの大きい避妊器具といえます。
使用の際は婦人科などの医療機関を受診し、検診の頻度についてもしっかり確認してくださいね。
【参考】
ミレーナ52mgこの記事を書いた人
三児の母・ライター。もともと教育関係の仕事に従事していたが、第三子出産を機にフリーライターとして活動開始。中学・高校の教員免許(保健体育)、幼稚園教諭免許、保育士など教育関係の資格を持つ他、メンタル心理カウンセラー資格を保持。教育や健康分野の記事執筆、絵本脚本の執筆など幅広く執筆活動を行う。
著書:「ある日突然、障害児の母となったあなたへ」