生理痛で薬が効かないときの対処法!痛み止めの正しい使い方や追加できる条件

公開日 2022-02-28 更新日 2022-02-28

記事監修医

島袋朋乃先生

産婦人科医師。平成28年に旭川医科大学医学部を卒業後、函館五稜郭病院、釧路赤十字病院を経て、現在は産婦人科医として市中病院で臨床経験を重ねる。総合病院やクリニックで産科、婦人科、生殖医療に携わる。日本医師会認定産業医。日本産科婦人科学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本生殖医学会所属。

生理痛を軽くしたくて痛み止めを飲んだのに、全然効かないときって本当に辛いですよね。
薬を追加してもいいのかな?変えたほうがいいのかな?といろいろなことが頭をよぎると思います。

今回は、痛み止めの正しい服用方法や追加するときの条件、痛みへの対処法を解説します。
なぜ痛み止めが効かないのか、生理痛で使われている代表的な市販薬や処方薬との違いについても説明するので、自分の痛みに合った薬選びにも活用してください。

生理痛でいつも使っている薬が効かない理由

「いつも痛み止めを使っていると薬が効かなくなる」という噂を聞いたことがありませんか?実際には、痛み止めが効かなくなることはありません。

薬の用法や用量を守って使用していることが前提ですが、生理痛がある数日から1週間程度の服用効果を発揮してくれます。
ただし、普段から偏頭痛などで毎月10日以上服用しているのであれば、痛みに対して敏感になっている可能性があり、ちょっとした痛みでも薬に頼ってしまっているのかもしれません。本当に薬を使わないといけない痛みなのかを自分の体と相談し、依存しないようにしましょう。

もし、本当に痛み止めを使っても生理痛が治まらないのであれば、薬を飲むタイミングが良くなかったとも考えられます。生理痛で使用する痛み止めは、痛みを感じる「プロスタグランジン」の産生(さんせい)を抑えて鎮痛効果を発揮します。すでに痛みがひどくなった状態ではプロスタグランジンが増えてしまっているので、薬を飲んでも痛みを抑えられないのです。

体調不良から憂鬱な気分や不安な感情が大きくなると、痛みに対して敏感になって薬が効かないと感じるでしょう。
今までは痛み止めが効いていたのにだんだんと効かなくなってきた場合、痛み止めを飲んでも効果がない場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気で強い下腹部痛が起きている可能性があります。痛みがあまりにも強いときには婦人科を受診する必要があります。

生理痛のタイプに合わせた痛み止めの選び方と正しい飲み方

生理痛で使う痛み止めは、服用してから効果が出てくるまでに15~30分かかります。痛み止めを使うときには薬の作用時間も考慮して、これからひどくなりそうというタイミングで使うのがいいでしょう。

鎮痛成分は空腹の状態で薬を使用すると胃を荒らしてしまうので、できれば何か軽く食べてから服用しましょう。また、痛み止めを服用するときに炭酸飲料など酸性の物を飲食すると胃腸が痛くなる可能性が高まるため、胃を刺激する食べ物は避けて、痛み止めを服用するときは水で飲むようにしましょう。

痛み止めには実はさまざまな成分があり、作用も異なります。自分の痛みに適した痛み止めを使用すると、より効果を感じられるはずです。

生理のときに頭痛がする方や日頃から偏頭痛に悩まされている方は、血管を収縮させ頭痛を和らげる「無水カフェイン」が配合されている薬を選びましょう。市販薬では「ロキソニンS」や「イブA錠」、「バファリンルナ」などが挙げられます。

生理のときに胃の不快感がある方や胃がもともと弱い方は、アセトアミノフェンが配合された痛み止めを選ぶことで胃へのダメージを抑えられます。市販薬では「タイレノール」や「サリドンエース」などがあり、小学生からでも服用できるものがあります。

生理痛で薬が効かないときには追加してもいいの?別の薬ならいい?リスクは?

すでに薬を飲んだけど痛いときには、薬を追加したくなりますよね。でも倍量飲むことになるし、大丈夫なのかと不安にもなります。薬が効かないなら、違う薬を飲もうと考える方もいるかもしれません。
薬を服用した状態で痛み止めを追加してもいいのでしょうか、またリスクはあるのでしょうか。

いつも飲んでいる痛み止めの量を増やせる?

薬を飲んでも効かない場合でも、痛み止めの量は増やせません
追加で服用するときには作用が弱くなってくる4~6時間後が目安ですが、薬の注意書きに記載されている間隔時間を守ることです。通常、痛み止めを服用すると血液中で鎮痛成分が一定の濃度に高まります。間隔をあけずに追加すると濃度が高くなりすぎて副作用が出やすくなるのです。どうしても我慢できないときは医療機関を受診しましょう。

さっき使った痛み止めと別の薬を追加してもいい?

異なる成分であれば、併用してもいいのかといえばそうではありません。成分が異なる場合でも、似た作用をする成分であれば副作用のリスクが高まります。自己判断で薬を併用せず、薬局薬剤師や産婦人科医へ相談してみることをおすすめします。痛み止めのシップや塗り薬の外用薬は体内に吸収される量は少ないですが、一度にたくさん使用するのはやめておきましょう。

風邪薬を飲んでいるけど、痛み止めを使ってもいい?

何も知らずに薬を併用すると、思わぬ副作用がでる可能性があります。
とくに市販の風邪薬と痛み止めには消炎鎮痛成分が配合されていて、同じ成分が過剰に摂取されたり、似た成分でも作用が増強したりすることがあるからです。医薬品を売っているドラッグストアには薬剤師や登録販売者がいて、薬の飲み合わせなどをチェックしてくれます。薬を購入するときに服用中の薬を持参して、相談に乗ってもらうと安心です。

ドラッグストアで買える痛み止め市販薬と医療機関でもらう処方薬の違い

生理痛のときに使う痛み止めは、ドラッグストアなどでも市販薬として手に入ります。診察がなく気軽に購入できるため、買い置きしている方も多いでしょう。
市販薬には、誰が使っても副作用が少ない安全性の高さが求められます。小柄の人が使っても副作用が出にくいように有効成分が控えめに配合されていて、その効果を補うために、複数の成分が配合されているのです。

一方で処方薬は、医師が1人1人の体格や体質に合わせて有効成分の種類や量を決めています。そのため医療機関で処方してもらう薬の方が、副作用が少なく効果的に作用するのです。市販の痛み止めを飲んでも効かないくらい強い痛みであれば、医師に相談しましょう。痛み止めの種類や配合量を変えるだけでなく、漢方薬などさまざまな方法を提案してくれるはずです。

生理痛で薬を飲んでも効かないときの対処法

生理痛で多いのは、下腹部や腰の痛みです。骨盤周りの痛みには体を温めると痛みが和らぎます。湯たんぽや下半身を温める下着を着用するなどしてみましょう。また、頭痛のときはテレビやライトを消して、音や光などの刺激を避けることです。リラックスできる環境を整えて、休息すると痛みが楽になります。

「何をしても市販の痛み止めが効かない」「寝込むほど痛みが強い」「生理の出血が多くてナプキンがもたない」などのケースは医療機関を受診しましょう。医師の問診を受けることで月経困難症などの診断がつけば、保険適用で薬が処方されます。
また、痛みを引き起こす原因がないかをチェックしてもらえ、うまくいけばピルなどで生理痛そのものを抑えることができるかもしれません。無理して痛みを我慢せずに、早めに相談しましょう。

【参考】

鎮痛薬のはなし|痛みのはなし|鎮痛薬EVE(イブ)【エスエス製薬】
薬を服用するときの飲み物に注意!? 牛乳やお茶、コーヒー等々……。 | DRP
【2021年】生理痛に効くおすすめの市販薬と選び方を解説 – EPARKくすりの窓口コラム|ヘルスケア情報
生理痛のたびに薬を飲んでいると、鎮痛剤が効きにくくなるの? | オムロン式美人
ロキソプロフェン配合薬の 飲み方の「なぜ?」に答えます!| 痛みに効くコラム| ナロン | 大正製薬

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