女性は昔、結婚も仕事も自由に選べなかったって知ってる?【日本女性の社会進出の歴史】
「少し前まで、女性は男性と同じようには働けなかった」という事実をご存知でしょうか? 働くどころか、女性は結婚して家庭に入る選択肢しかなかったともいえます。
今の若い世代の方は「性による格差がない社会」が昔に比べて浸透してきているため、そのような歴史を知らない人も多いかもしれませんね。
実は、数年前までの日本は女性の扱いがとても不平等だったのです。男性は女性よりも上の立場だと考えられており、「女性は家庭、男性は仕事」といったような性別役割分担の考えも国民に深く浸透していました。
抑圧の歴史のなかで、次第に「女性にも男性と同等の権利を」という社会の流れになり、今の社会がつくられたのです。
この記事では、女性の社会進出の歴史をわかりやすくご紹介します。
これからの社会のあり方や自分自身の生き方を考えるためにも、多くの方に知っておいてほしいと思います。
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明治時代は女性に選挙権がなかった
日本では長い歴史のなかで、女性よりも男性が優位に扱われてきました。特に政治において、男女不平等の歴史がよくあらわれています。
明治時代には、女性は政治に参加する権利すらありませんでした。
日本で普通選挙をおこなうようになったのは1925年(大正14年)ですが、明治末から大正の時代には、女性は政治的な立会演説を聞くことすら禁じられていたのです。現代では、考えられない光景ですね。
しかし、明治維新を機に、日本にも西洋的な人権思想が入ってきて、女性の社会的地位の向上や参政権を求める声が高まっていきました。
日本で女性に参政権が与えられたのは、第二次世界大戦後のこと。1945年の選挙法改正により、初めて女性に参政権が認められるようになったのです。
法律で女性のポジションが決められていた
今から120年ほど前、明治時代には政治以外でも女性の地位は低く、女性のポジションは法律で定められていました。
その法律が、家父長制ともいわれる「家制度」です。
明治時代の家制度において、結婚の目的は男性側の家を存続させることでした。そのため、家において妻は夫よりも下の立場とされていたのです。
家制度では、法によって女性がもつすべての財産は夫が管理すると決められており、妻が働くには夫の許可が必要でした。個人の意思よりも家を存続することが優先され、自由に結婚相手すら決められなかった時代。女性に自由はなく、家を守ることが当たり前とされていたのです。
戦後になりようやく、日本国憲法第24条によって家制度が廃止され、現在のような結婚制度へと変わりました。しかし、明治時代の男性を重んじる家制度の名残は、今も根強く残っています。
いまでこそ、「男性も家事育児をするのが当たり前」と言われる時代になってきましたが、まだまだ性別による役割分担の考えは残っていますよね。結婚後は男性の家に入る「入籍」する、女性は家庭を守るべきなど、そうした考えは古い時代の名残ともいえます。
女性は会社では寿退社することが当たり前だった
家制度が廃止されたあとも、女性の立場はなかなか変わらずにいました。社会でも、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担が浸透していたためです。
こうした性別役割分担の意識は、1985年に「男女雇用機会均等法」(以下「均等法」とする)という法律が定められるまで続いていました。
たった36年前まで、女性が働くことは当たり前でなく、社会のなかで男女不平等な状況が続いていたのです。加えて「女性は適齢になったら結婚するのが当たり前」と考えられていました。
そのため、均等法が施行されるまで、女性は会社のなかで「寿退社するのが当たり前」とされていました。結婚後は家庭に入るのが当たり前で、結婚・出産後に働き続けるライフスタイルは非常に珍しかったといえます。
会社では辞めることを前提として考えられているわけですから、重要な仕事は任せてもらえず、男性のように会社で出世することもありえませんでした。
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女性が働きやすい社会への変革
均等法が施行されたあとも、社会における女性の不平等はなかなか解消されませんでした。理由としては、女性が働くための労働環境の整備が追いついていなかったことがあげられます。
昔は育休などもなく、一度辞めると復帰は難しい状況でした。加えて、会社側も、出産ですぐに辞めてしまう女性を積極的に使いたがらない風潮があったことも影響しています。
現在でも続いていますが、子どもの預け先がないなどの問題もあります。
そこで、1991年には「育児休業法」が施行されるなど、労働環境の整備にも力を入れるようになっていきました。
最近でも、2019年に女性活躍推進法(女性が働きやすい環境整備を会社に義務付ける法律)が改訂されるなど、より女性が働きやすい環境になるように国として努力しているのです。
夫婦別姓もなかなか進まない現状……今後は?
現在の法律では夫婦は同じ性を名乗らなければならないとされていますが、これも男性優位の家制度の名残ともいえます。
夫婦別姓については約20年前から検討が続けられていますが、なかなか進んでいない現状です。
夫婦別姓が問題となる場面はさまざまありますが、現在、女性側から特に問題視されているのが、結婚後の職場での姓についてです。
多くの女性は結婚後もこれまでの姓で働きたいと思うのに対し、夫となる相手やその家族からよく思われないことも少なくないのです。これは、「夫婦になったら姓を変えるのが当たり前」という固定観念からくる問題といえます。
実は法律で夫婦同姓が決められている国は、世界のなかでも少ないのだそう。それだけ、日本が昔の男性優位の思想から離れられていない証拠ともいえるでしょう。
本当に男女平等の社会を目指していくためには、日常からできることはあります。
たとえば、家事や育児の割合が女性が多いのであれば家事を分担をしたり、積極的に選挙に参加したりなど。これまで"仕方ない"と思っていたことに声をあげていくことが大切です。
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まとめ
「好きな仕事を選ぶ」「好きな人と結婚する」今では当たり前となっている裏には、実は男女不平等の歴史があったのです。
女性の自由が認められなかった歴史のなかで、つらい思いをしてきた女性たちの訴えが、今の社会を作っているともいえます。
時代によって変わる、当たり前や常識、歴史を知ることで、自分に自由な選択肢があることを知ることができたのではないでしょうか。
これからの時代を生きる若い世代の方たちには、性別やこれまでの常識にとらわれることなく、自分らしく自由に生きていってほしいと思います。
この記事を書いた人
三児の母・ライター。もともと教育関係の仕事に従事していたが、第三子出産を機にフリーライターとして活動開始。中学・高校の教員免許(保健体育)、幼稚園教諭免許、保育士など教育関係の資格を持つ他、メンタル心理カウンセラー資格を保持。教育や健康分野の記事執筆、絵本脚本の執筆など幅広く執筆活動を行う。
著書:「ある日突然、障害児の母となったあなたへ」